脂質異常症は血液中のコレステロールや中性脂肪の量が異常であり、動脈硬化の原因となります。明らかな症状はなく、動脈硬化が進行して心筋梗塞などの病気になってから治療を開始することも少なくないです。当院には健康診断などで異常を指摘された患者様が受診されることが多いです。
日本で、心筋梗塞・心不全・脳卒中などの心血管イベントによる死亡の原因としてコレステロールが関与していると考えられています。早期より介入して動脈硬化を防ぐ必要があります。
しかしながら、脂質異常症の治療が必要にも関わらずしっかり治療をしている人の割合は5%にも満たないという報告もあり今後啓発を含めて社会的に取り組んでいく必要がある疾患です。
脂質異常症の診断基準は以下のようになります。(脂質異常症診療ガイド2018年版)
LDLコレステロール | 140mg/dl以上 | 高LDLコレステロール血症 |
120-139mg/dl | 境界域高LDLコレステロール血症 | |
HDLコレステロール | 40mg/dl未満 | 低HDLコレステロール血症 |
トリグリセライド | 150mg/dl以上 | 高トリグリセライド血症 |
Non-HDLコレステロール | 170mg/dl以上 | 高non-HDLコレステロール血症 |
150-169mg/dl | 境界域高non-HDLコレステロール血症 |

健康診断などで異常を指摘され受診された患者様には、問診(今まで何か病気に罹ったことがあるか、家族に同様の症状の人がいないかetc)をした上で、脂質異常症の合併症や、他の病気の併存がないかを確認するために採血検査を行います。その後必要に応じて心電図、頸動脈エコー(脳の入り口の検査)などを行います。
治療としては、いきなり薬を開始するのではなく食事・運動のアドバイスをさせて頂き、経過を観察した上で必要であれば薬を開始します。当院では栄養士による栄養指導やヨガ療法による運動療法もおこなっておりますので、適宜相談ください。
詳しく知りたい方は、こちらをご参照ください。
「脂質異常症について」
https://xn--v6q559gj6ehpa.com/archives/1424