●風疹とは?

風疹とは、風疹ウイルスによって起こる感染症で、発熱、発疹、リンパ節の腫れが特徴的な症状です。唾液の飛沫が原因で他の人にうつる感染症と言われています。

風疹が怖いのは、妊娠時の感染です。妊娠20週頃まで(とくに妊娠初期)に妊婦がかかると胎児が風疹ウイルスに感染して先天性風疹症候群(難聴、心疾患、白内障、精神遅滞などの障害)をもった赤ちゃんが生まれる可能性があります。

これを予防するために妊娠前に2回予防接種を受けることが推奨されており、なるべく妊婦周りの人が風疹を妊婦に移さないようにするのが大切です。

●風疹ワクチンについて

2005年までは定期の予防接種として1度風疹ワクチンが打たれていましたが、2006年以降は2度風疹ワクチンを打つようになっております。(2008-2012年に関しては3度摂取しています。)
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つまり、平成31年度に28歳以上の方は風疹ワクチンを2度打っていない可能性があり、風疹の抗体検査もしくはワクチンの摂取を検討しても良いと考えます。(ご自身の母子手帳などでご確認いただけると幸いです。)

風疹ワクチンを打つ際に重要なのは、必ず妊娠していない時期にワクチンを接種することです。あらかじめ1ヶ月間避妊するのが無難で、その後2ヶ月間の避妊が必要です。

また女性だけでなく男性もワクチンが必要と考えられています。理由は2つあり、1つ目が大人に風疹にかかると子供に比べて重症になる可能性があること、2つ目に男性が風疹になり妊婦にうつしてしまう可能性があることが挙げられます。

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●風疹の抗体検査

過去にワクチンを打ったか、風疹に罹ったか覚えていないという患者さんも多く、血液検査で抗体価を調べることで免疫を持っているか確かめることが出来ます。

HI法という方法で、抗体価32倍以下の場合、EIA法で風疹ウイルスIgGが陰性かあるいは8.0未満の場合は風疹の抗体がないか、抗体が少量で不足していると考えられるので予防接種が必要になります。(国立感染症研究所では抗体価16倍以下を不足としています。)

ちなみに風疹のワクチンを打っても、副作用は非常に稀であり、ワクチンを打って免疫力が上がるため抗体検査をせずにワクチンを打ってしまう患者さんも実際います。

●埼玉県の風疹抗体検査について

埼玉県では風疹抗体検査が無料で受けられます。詳しくはこちらをご参照ください。https://www.pref.saitama.lg.jp/a0701/fuusinn-kanzyazouka.html
埼玉県でこの検査を実施された方の25%程度の人が実際風疹のワクチンを推奨されています。

【すべての方の要件】  
(1)過去に風しん抗体検査を受けたことがない方(妊婦健診含む)  
(2)過去に風しんの予防接種を受けたことがない方  
(3)過去に風しんにかかったことがない方  
(4)昭和37(1962)年4月2日~昭和54(1979)年4月1日生まれの男性ではない  (※上記の間に生まれた男性は、県の助成対象ではなく市町村の助成対象になります)

【妊娠を希望する女性本人の要件】
(5) 年齢が16歳以上50歳未満で妊娠を希望している(概ね1年以内)

【同居者の方の要件】
(6)「年齢が16歳以上50歳未満で妊娠を希望している(概ね1年以内)女性」の同居者である。または、
(7)「風しん抗体価が低い(HI法で32倍未満、EIA法で8.0未満)妊婦」の同居者である。

●定期予防接種の対象のお子さんについて

定期予防接種の対象のお子さんは、積極的に予防接種を受けましょう。
定期接種の標準的な接種期間
・第1期:生後12月から生後24月に至るまで
・第2期:小学校就学前の1年間

※定期予防接種について詳しくは、お住まいの市町村役場の予防接種担当窓口にお尋ねください。

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